さて、前回に続き家を快適にするためのお話から、省エネ基準についてお届けします。
まずは質問です。国の「省エネ基準」って聞いたことがあるでしょうか?
「省エネ」は知っていても、住宅、建築物の省エネ基準となると知らない人も多いかもしれません。でも、これから家を建てたいとお考えならば、これはぜひ知っておいてもらいたい言葉なんです。
文字通り「建築物の省エネ性能確保に必要な構造や設備に関する基準」を表すのがこの省エネ基準。そして「省エネ性能」は今後耐震性能と同等に必要不可欠なものになってきます。
というのも、近い将来、省エネ基準が義務化されるからです。
現在の省エネ基準の目安となっているのは、平成28年に定められた「H28省エネ基準」。地域によって基準値は異なり、大阪ではUA値0.87 W /㎡Kで断熱等級4、0.6 W /㎡Kで断熱等級5に該当します。
はい、ここで「UA値」というあまり耳慣れない単位が出てきましたね。
説明すると、UA値とは「外皮平均熱貫流率」。日本語になったとてまだよくわかりにくいのですが、要するに、住宅の内部から外に逃げる熱量を表す指標のこと。この数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高くなるんです。計算は屋根(天井)や外壁、床、開口、基礎立ち上りのそれぞれの損失熱量の合計を外皮面積で除して算出します。
「省エネ=断熱」というわけで、ようやくここで前回までの「暖かい家」と繋がってきました。
もう1年もありませんが、2025年4月には原則全ての新築住宅には省エネ基準が義務付けられます(一部除外あり)。同時にかつては最高等級だった断熱等級4のUA値0.87は最低基準となり、それ以下の省エネ基準の家は建築不可に。
そして、そこから2030年にはさらに基準が厳しくなり、現在「ZEH基準」と呼ばれる断熱等級5が求められると言われています。
「ゼロ・エネルギー・ハウス」を意味するZEH住宅は0.6w /㎡・k(UA値の単位)以下が基準。一次エネルギーと言われる石油や天然ガスなどの使用をゼロに抑えることで地球温暖化を防ぐことが狙いとされていますが、2030年にはこれが標準となり、さらに厳しい基準「HEAT20(G2、G3)」が控えることとなります。
また長く良好な状態で住み続けられる性能を備えた家に認められる「長期優良住宅」は、断熱等級が5、そして一次エネルギー消費量等級が6という基準を満たした住宅に認定されます。
なんだかこんがらがってきそうですが、これらの長期優良住宅やZEHの基準を満たすことがこれからの家には必須条件ということ。そこまで考えた時に「国の基準に従うためにいくらかかるの?」という疑問が生じます。
当然基準をクリアするための工法にはお金がかかりますが、安心してください。これらの省エネ住宅の建築で得られる税制優遇やさまざまな助成金があるんです。
私たちマスノホームズでは、使える税制優遇や助成金への対応も実施し、お客様の資金計画をサポートをさせていただきます。納得のいく家づくりのため、気になる点があればお気軽にご相談ください。