前回までは室内を快適温度に保つ重要さや国の省エネ基準についてお話しました。
それを踏まえ、今回は具体的なマスノホームズの家づくりをお届けします。
ところで、「断熱」と「気密」の違いって説明できますか?
簡単に説明すると、断熱は外気に影響を受けないよう熱の移動を遮ること。対して気密は気圧の変化を受けないよう隙間をなくし、空気の流れを制限すること。
前回の省エネ性能の説明では、断熱等級の話をしましたが、加えて私たちが常日頃感じているのは「高気密化が快適な室内環境の決め手になる」ということです。
断熱性能がいくら高くても、UA値がいくらよくても、隙間があれば冷気は侵入します。
さらには気密が低いと断熱材の劣化を早めたり、壁内結露が発生したりといいことなし。だからこそ、私たちが重視するのは「気密」。その上での断熱性だと思っています。
気密性の指標となるのは、家の気密性を数値化した隙間相当面積=C値です。
平成25年までの国の推奨基準は床面積1㎡あたり5c㎡の隙間。対して、マスノホームズでは隙間のできやすい場所を徹底してなくし、対策することでその1/10以下の0.5 c㎡以下の気密性を標準としています。
例えばマスノホームズでは気密測定を行っていますが、例えばある家での測定では、UA値が0.4w/㎡・k(大阪府の基準は0.6)、C値は0.3 c㎡/㎡(高気密住宅とされるのが0.5以下)という結果になりました。このUA値はZEH基準を上回り、「HEAT20」のG2レベルをも上回っています!
また、気密対策とともに、重視しているのが水蒸気対策。結露は以前もお伝えしたとおり、雨漏れやシロアリ被害と同様に木造住宅の寿命を縮める大きな原因の一つです。特に壁の中で起こる結露(室内から壁内への水蒸気の侵入が主な原因)は、しっかりと対策が必要になります。
マスノホームズでは、壁内結露を起こさないため、外周壁の室内側下地ボードと断熱材の間に、透湿抵抗値の高い防湿フィルムを施工しています。隙間をできる限りなくしながら、見えない部分への水蒸気対策。これが住む人も家も健康に長生きできる秘訣です。
ちなみに「気密」=隙間がないというと、閉塞的なイメージを抱かれてはいないでしょうか? そもそもシックハウス症候群による健康被害が原因で、2003年7月から建物内の24時間換気が義務化されています。
その上でマスノホームズではフィルター交換や機器交換コストなどの生涯の維持管理の容易性を重要視し、高性能な第3種ダクト式換気設備を採用しています。高気密・高断熱な家だからこそ、生涯継続的にお客様の手で衛生的な室内環境を維持するためにも、実績ある設備機器を選択することが重要なんです。
「冬暖かい家」を実現するための断熱性能(UA値)、気密性能(C値)、そして壁内結露への対策。この全てにおいてわたしたちは推奨基準をしっかりクリアし、快適な暮らしをサポートさせていただいております。
次回はこちら
その5:自然の力で無理なく快適に